2008年12月30日

プロフ問題

プロフとは、プロフィールの略で、『前略プロフィール』という楽天が運営しているサービスなどのことをいいます。これが、中高生の自身の個人情報をインターネット上にさらし、さらに校内でのいじめやトラブルの原因となるなどの社会問題となっています。それ以上の事件も起きています。

『前略...』は、2002年4月に運営が開始され、宣伝活動なしに口コミだけで540万人(2008年12月)まで拡大しています。多くは携帯電話からの加入です。そこまで拡大した理由は、いくつか考えられます。

まず、インターネット上のほとんどのサービスに年齢制限があるため、ケータイを所持する中高生が年齢偽装せずに加入できるサービスであったことが挙げられます。通常、中高生は消費者としては小さな市場で、さらに購入には保護者の承諾が必要であったりと、広告収入が期待できないので、対象にしないのです。

技術的にはシンプルで、機能が少ないことから、誰でも操作できることも大きな理由でしょう。運営している楽天としては、人件費や開発費がかからず、その割に利用者が多いことから、それなりに利益があるのだそうです。棚からぼた餅ともいえます。

ではなぜ、プロフィールなのかというと、何か書くことがある大学生以上と比較し、中高生は周りと同じ行動しかしないので、ブログなどを書くほどのネタがない。だから、自分自身を書くことしかできない。他人との違いは、名前や生年月日となるわけです。

勉強や部活動、生徒会活動などの学校活動、それから趣味など、何かに一生懸命になれる生徒は、プロフに熱中しないようです。自分を表現できる手段があるからプロフは不要なのでしょう。プロフをするほど暇ではないともいえます。

友達と共通のことをして、つながっていたいという心理が、これほどユーザーが拡大した要因なのでしょうが、同時にケータイがインターネットより安全だと思い込んでいることもありそうです。

実際には携帯電話の場合は、相手側で個体識別番号を取得できるので、コンピュータよりも端末の特定は容易です。プロフの加入時に、個人を特定できる情報を書き込むのですから、その情報の利用法はさまざまです。

また、ケータイから書き込んだものは、アドレスを知らせなければ見られることはない、教えた人しか見ていないと思っていたり、さらには、インターネットとは別のものと考えていたりする人もいるようです。もちろん、インターネットの検索サービスで簡単に見つけることができるのは、自宅でインターネットをしている人であれば、簡単にわかることです(前略プロフサーチなど)。

保護者自身は、携帯電話を通話機能やメール機能など、個人と個人のコミュニケーションツールとして利用している人が多いと思います。携帯電話は、従来の電話の延長にあると、いつまでも思っていると間違いです。目隠しされたネット端末です。通話機能以外では、パソコンの補助的な役割もします。パソコンを所有せずに携帯電話を持つということは、テレビを所有せずにリモコンを持つようなものです。

塾の帰りが遅いからなどと安全のために持たせるというのが保護者の言い訳ですが、その割に、保護者の端末から子供の居場所を地図表示する機能やフィルタリングサービスなどを使っていなかったりします。疑似的な安心感を得ているだけです。

楽天側からするとプロフは入り口に過ぎず、今後は、中高生の消費傾向を分析し、消費者としての取り込みをおこなうことを計画していると発表しています。ネットショップを運営している企業ですから、当然そちらに流れを作り、利益がでれば、それでいいわけです。